今回は、私のブログテーマである「森羅万象」についてです。
以下は、その出展の際の応募コメント(抜粋)です。
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作品は「森羅万象」の4字とし、そこには、我々は自然界の全てのものの恵みにより生かされており、また、それらと向き合い、共に助け合って生きていかなければならない、という意味を込めたいと思いました。(参考文献「里という思想」内山 節)
表現方法といたしましては、空間の取り方にこだわりたいと思いました。私の前職が画廊勤めということもあり、以前より現代美術には大変興味を持っておりますが、昨年秋に訪れた横浜美術館で見た「リ・ウファン 余白の芸術」には大変衝撃を受けました。それは、今まで私が考えていた、あるいは表現していた、見てきた余白のとり方とは、まるで違うものでした。またそれは単に余白の取り方というばかりではなく、外界の情景との融和の素晴らしさでもありました。
そして、私は、この余白の取り方を今回の「森羅万象」という文字の表現になんらかの形で盛り込みたいと思いました。それは単純に、造形的な部分ばかりではなく、私が表現したいと感じる言葉の意味にも盛り込みたいとの考えからです。
具体的には、紙全体に「森羅万象」を書き、できるだけ紙の真ん中に余白(空間)を作る、という表現です。自然界全てのものたちに囲まれ、その中に私は生かさせてもらっている、という万物に感謝する意味を込めたいとの思いからです。
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森羅万象ということばに私はもの凄く惹かれました。
辞書では「宇宙に存在する一切のもの。あらゆる事物・現象。」との簡単な説明のみですが、上述内山節先生の 「里という思想」を読み、そこに表現された「森羅万象」の考え方が、私にはすごくピッタリきました。
そして、自然界全てのものたちに囲まれ、その中に私は生かさせてもらっている、という万物に感謝する意味を、私なりに「森羅万象」という言葉の中に込めたのです。
今の自分があるのも、こうしてすきな書道を続けていられるのも、「森羅万象」における感謝の気持ちからだと思っています。
☆『「里」という思想』は皆さんも是非一度読んでみて下さい。哲学者の内山先生の考え方、とても共感できるところがあります。