こんにちは。
今日は、昨年秋の二人展の作品の中から「思いっきり楽しく」について、少しお話させていただきます。

作品の作り方というのは、人それぞれ、いろいろなやり方があると思いますが、私の作品作りは、基本的に(そうでない作品に関してはまたお話いたします)、自分の言葉で、自分の気持ちで書く!ことにしています。
一字書作品に関しては、その時の心情、考えを込められる文字を選び、詩文作品に関しては、自分の言葉・詩(?)で書くことを心がけています。逆に言うと、人の言葉では、気持ちが乗れないというか?気をつかうというか?自分で書いておきながら、自分の作品でないような気持ちになりますので、難しくなってしまいます。

そこで、「思いっきり楽しく」について、ですが、、、
今から数十年前の私の中学校の卒業文集で、当時体育の先生が書いて下さいました、「同じ一生なら、楽しく生きなければもったいないじゃないか!」という言葉。
これは後に、石川有三の「路傍の石」の中の一説であることも分かったのですが、、、
この言葉に、私は大きく影響を受けまして、大げさですが、人生の局面で、辛いとき、悲しいとき、悔しいとき、、、いつもこの言葉を思い出し、「そう、くよくよしてても仕方ない。楽しく生きなきゃ!」と、自分に言い聞かせています。

と、同時に、追々私の山好きについてもお話していくことになると思いますが、、、
私は、大の山好きで、山で見る星空がまた大好きです。都会では(下界では?)見られない無数の星を見るたびに、
「ああ私は、こんなにたくさんの星の中のたった一つの星の中で、ちっぽけなことに悩み、迷い、、、生きているんだな。もっと楽しくいこうよ!」
と、妙に大きな気持ちになったりするわけです。

そんな、私の上記両方の気持ちを表現したのが、「思いっきり楽しく」です。

以下、全文。

思いっきり楽しく


こんなにたくさんの星の中の
たったひとつの星の
点みたいな場所で
ほんの一瞬を生きる
思いっきり楽しく

 
この作品は、紙漉き職人の平澤桂子さんに、私の反古紙(2006年の森羅万象の反古氏)を漉き返していただいたものに書いています。
職人さんの、紙は出来るだけ美しく!塵など全てのぞいて!という姿勢を諦めていただき、どうか、出来るだけ塵を残して素朴な味わいを出す紙に仕上げて下さいと、我儘を言って漉いていただいた紙です。
点々と残る塵を、宇宙の無数の星に見立て、それを邪魔しないように、淡い色の墨で書き、でも、強い気持ちが表現できたのではないか???と、感じています。
結構お気楽なのかもしれませんが、悩んで、怒って、恨んで、くよくよしても一生!
笑って、楽しんで、いろんな人と出会って、会話して、、、それも一生!
だったら、楽しく生きたいな、と、思います。